
小学3年生の男の子と母と姉、3人暮らしです。父は亡くなりました。3人で元気に暮らしています。
お母さんはミシンが得意で何でも作ってくれますが、男の子が思うものと母が作ってくれたものはいつもズレていて、男の子はその度に学校で恥ずかしい思いをします。
ある日、どうしても母が作れないものを男の子は要求しました。
そしたら母は自分のやり方でその不可能なものをミシンで作り、母が出来る最上の方法で男の子の前に現れました。
当たり前にある家族の形。両親が居て、兄弟がいて、祖父母が居て、親戚がいる・・・
子どもは周りの友達と自分を比べて自分が持っていないものに目が行ってしまう。
このお話しの男の子も、父が居ないことに劣等感と寂しさを感じています。
母はその気持ちを受け入れて、そして、最高の方法で応えようとします。
生活にはユーモアがあれば楽しく暮らせるんだなぁ~っと、面白くて温かい気持ちになれる一冊です。
S.O
■担当編集者からのメッセージ
本書は、2008年に出た長谷川義史さんの自伝的絵本、『てんごくのおとうちゃん』に呼応する、“おかあちゃん”の絵本です。『てんごくのおとうちゃん』では、幼いころに亡くしたお父さんとのたいせつな思い出が丹念に描かれましたが、本書はその後日談。3人家族で元気に暮らしている“ぼく”と、明るくて、やさしくて、強いおかあちゃんがくりひろげるお話。笑わせて、そして、じんとさせてくれて、また笑わせてくれる、とってもあたたかいお話です。(J)