大阪里親連合会
元会長 荒堀 喜代蔵様(享年96才)を偲ぶ
里親一筋の方でした。 養子里親として多くの子どもを育てるとともに里親の啓発活動に全力を尽くし、大阪里親連合会会長、河南つつじ会会長と奮闘され、平成16年には旭日双光章を叙勲されました。
そんな荒堀氏が80才を過ぎたころ、里親活動でやり残したことがある。
それはファミリーホームをする事だと言い出しました。
私たちが止めるのも聞かず、家を見つけ、ここをこうゆうに改修し、ここは子ども達が集まる部屋にとどんどん計画が進んでいきました。
ある日突然、「ファミリーホームするのやめた。」と言い出しました。
その理由は奥様の「年齢を考えなさい」という一言でした。 奥様は偉大でした。
行きがかり上、私がファミリーホームをやることになり、今では感謝しております。
こんな偉大な先輩も、我々つつじ会会員にとってはすごくやさしい先輩でした。
晩年は毎年、荒堀氏宅の近くで新年会を開き、皆でかわるがわる悩み事や自慢話を「そうかそうか」と聞いてもったものです。
昭和、平成と里親一筋で生きてこられた荒堀氏のご冥福をお祈りします。
河南つつじ会会員 住 友 脩
大阪府里親会(旧大阪里親連合会)
前会長 辻 晃 様(享年77才)を偲ぶ
「よっしゃ、分かった。任しとけ!」と、いかなる時も大抵のことは引き受けておられて、男っぷりのいいという言葉がぴったりの方でした。おしゃれで、ジーパンの似合う、体型も維持されていて、豪快にご自分の美学を貫いて生ききった方でした。
時に厳しく、けれどもその強面をとけるような笑顔にして周囲を和ませ、人懐っこい一面や、純心さを失わない方でしたので、エピソードには事欠きませんでした。
数年前の夏の一泊研修でのエピソードをご紹介しましょう。一日目、朝集合して数時間後にはバスで宿泊施設に到着。そこから大人は研修、子どもは幼い子も高校生も一緒に交流の時間を過ごし、研修終了後は親子で一緒に物作りなどをします。
親子でソーセージ作りをする予定なのに「わしはザリガニ釣りしとくわ」と言って、一人夢中になっていた姿を思い出します。
そして、大のお酒好きは有名で、武勇伝は皆様も良くご存じですよね。
釣りのご趣味も有名です。事務連絡でお電話を差し上げると、「今な、日本海やねん」と、正に真っ最中のハイトーンの声が弾んでいました。今年10月にもご病気の体を押して大きなヒラマサを釣り上げたのが、ご遺影の写真だと伺っています。趣味でもご自分を貫いた方でした。
もちろん、里親会への大きな貢献は皆さんの胸にしっかりと刻まれたものとなっています。現在、里親シンポジウムや相談会は年間を通してどこかで開催され、里親や里子さんが自らの体験を一般の方にお話しするのは当たり前になっていますが、約15年前は里親が人前で体験を話すなんてありえない時代に、「これからは、里親がもっと前に出ていかなあかん」とおっしゃって、今のスタイルを推奨し、作り上げたと言って過言ではありませんし、 その話を聞いて里親登録された方はかなりの数に上ります。
2013年9月のIFCO(インターナショナル・フォスター・ケア・オーガニゼーション)世界大会が大阪で行われたとき、大阪実行委員会大阪本部代表を務められ、4日間の会議で125名の海外からの参加者を含め、約3,700名が参加で史上最多の記録となり、大成功を収められました。これもお人柄の賜物です。
また、立ち上げることのできた里親子支援機関えがおも辻さんの思いが源にあります。
告別の時、辻家を巣立っていったほんとに多くの里子たちが、辻家の家族として参列されたとききました。どんな時も、どんな委託も受け入れてこられて、多くの子どもたちに愛情を注いでこられました。ご冥福をお祈り申し上げます。
NPO法人 里親子支援機関 えがお 理事長
辻本眞波 牧野博子